変形中庭のある住宅+美容院

●設計事例の所在地: 
石川県金沢市
●面積(坪): 
56.62
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

敷地の南側に公園がひろがっています。大きな開口部からは中庭のグリーンが見通せます。この大きな開口部や中庭を通して、公園側の景観や採光、通風を取り入れることがとても大切な要素となっています。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

最初はハウスメーカーの住宅展示場巡りから情報収拾を始められ、自分の思い描く住宅を建てるのは無理だと諦めかけていた頃に知人の紹介で出会いました。ご主人が美容院を経営される店舗部分と、家族で生活する住宅の、店舗併用住宅を希望されていました。美容院は金沢21世紀美術館のようにギャラリーのようなスペースにしたい。住宅部分はこぢんまりとしたほどよいスケール感と質感を持つ空間を希望されていました。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

前職で金沢21世紀美術館の建設にプロジェクトリーダーとして関わったこと。ご主人の大好きな建物の空間の質感を共有できること。共通の知り合いである21美の学芸員さんが僕の話をしてくれたことが決め手になったようです。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

南側が公園に面した、比較的ゆったりとした住宅街の一角に位置する住宅。 南面はしているが奥行のある敷地形状のため、敷地手前と奥側の双方に採光と通風を確保することが設計の手掛かりとなった。敷地手前の趣味室は床を少し掘 り下げて建築高さを抑え、奥側の建物に光が届くよう配慮している。少し下がったレベ ルにある趣味室と、ちいさな空間を繋ぎあわせた住宅が、変形中庭を介して緩やかに繋 がっており、移動とともに変化する空間体験を楽しむことができる。

その他の画像: 

美容院の入口付近。明るく、とても開放的な空間。大きなガラス開口が2面並び、建物を素通しして景色を見せる。左手は公園、右手は建物の中庭。

同じく美容院の入口付近。左奥がシャンプー室、右手がセットスペース。中庭の奥には住宅のボリュームが見えるが、背景のように馴染み住宅であることを忘れてしまう。

シャンプー室の手前からセットスペース側を見る。空間は分かれているが、ガラスの大開口で視線や空間の広がりは連続する。

髪を切っていると一面のガラスに映る風景。明るくてとても開放的な空間。庭の右側は変形して住宅部分に引き込まれていくが、美容院側からはその存在すら消されている。

住宅の玄関ホールから住宅部分の中庭を巡る廊下方向を見る。美容院側から連続する変形中庭がここまで引き込まれている。ライトアップされる廊下の壁は、ダイニング側から印象的な窓を通して光のグラデーションを見せる。光そのものを見せる空間演出。

中庭に面するダイニングキッチン。公園側を見れば、美容院を素通して公園やその先の景色を見ることができる。ご希望のステンレスキッチンと造り付けの食器棚。電気オーブンを食器棚に埋込んでいる。床はやわらかい色調のタイル。壁や天井はEP塗装。

二階にある独立したリビング。南面から採光が入りとても気持ちのよい空間。また、住宅部分で唯一天井の高い部屋。

奥に引き込まれた住宅部分の変形中庭。住宅部分の採光と通風に一役買っている。

同じアングルの写真。夜は幻想的な風景に。

二階寝室から見える風景。建物の構成が一番よく分かる俯瞰。

設計者

ユーザー 吉村寿博建築設計事務所 吉村寿博 の写真
オフライン
Last seen: 2ヶ月 4週 前
登録日: 2012-07-24 10:27